ピロリ菌の除去

「ピロリ菌はいるけれど、今すぐ治療しなくてもいいですよ」そんなふうに言われて、どこか安心した経験はありませんか?私もまさにそうでした。

 しかし、毎年の人間ドックで「胃の異常の疑い」が3年連続で続いたとき、さすがに無視できなくなりました。「まだ大丈夫」が、ある日突然「手遅れ」になるかもしれない——そんな不安が頭をよぎったのです。この記事の結論を先にお伝えします。

1.ピロリ菌は“症状がなくても”早めに除菌すべきです

 読み終えるころには、「自分も検査してみよう」「必要なら除菌しよう」と自然に行動できるようになるはずです。私自身、検査で平均の2倍以上のピロリ菌が見つかり、正直ゾッとしましたが、除菌を経て今は安心して生活できています。この体験をもとに、なぜ除菌が重要なのか、わかりやすくお伝えしていきます。

2.なぜピロリ菌は放置してはいけないのか


(1)胃がんとの深い関係

 ピロリ菌が問題視される最大の理由は、胃がんとの強い関連性です。ある調査では、ピロリ菌に感染している人の約3%が胃がんを発症した一方で、感染していない人からは1人も発症しなかったという結果が出ています。この数字、冷静に見るとかなり衝撃的です。

 つまり、「いるか・いないか」で未来が変わる可能性があるということです。さらに、ピロリ菌は胃がんだけでなく、

  • 慢性胃炎
  • 胃潰瘍
  • 十二指腸潰瘍

 など、胃のトラブル全般に関わっています。実際、胃潰瘍の患者の80〜90%が感染していると言われています。

3.自覚症状がないのが一番怖い


 ピロリ菌の厄介なところは、ほとんど症状がないことです。私も医師から「今は悪さをしていない」と言われていました。しかし、検査結果には確実に変化が出ていたのです。

  • 下部アレア不同
  • 胃角変形
  • 中部小彎壁不整

 ……正直、呪文のようですが、要するに「胃の形や粘膜に異常がある」というサインです。体はちゃんと警告を出しているのに、自覚がないだけで見逃してしまう。これがピロリ菌の怖さです。

4.放置するとリスクは積み上がる


 ピロリ菌は一度感染すると、除菌しない限り胃に住み続けます。しかも、胃の中という強酸の環境でも生き延びるために、アンモニアを作り出して自分を守るという、なかなか図太い性格の持ち主です。

 その過程で胃粘膜を傷つけ続け、長い年月をかけて病気のリスクを高めていきます。「今大丈夫」でも、10年後・20年後はどうでしょうか?

5.実際に受けた検査と衝撃の結果


 ピロリ菌の検査で有名なのが「尿素呼気試験」です。これは簡単に言うと、

 ① 検査薬を飲む

 ② 呼気(吐く息)を測る

 ③ 二酸化炭素の量で菌の有無を判断

 というものです。ピロリ菌がいると、尿素を分解して二酸化炭素を大量に発生させます。そして私の結果は……、平均4.6%のところ、11.6%。まさかの2倍以上。思わず「そんなに飼ってたの?」と自分にツッコミを入れたくなりました。

6.除菌治療はシンプル、でも油断禁物


 除菌方法は意外とシンプルです。

  • 抗菌薬2種類
  • 胃薬1種類

 これを1日2回、7日間飲むだけ。「たったそれだけ?」と思うかもしれませんが、ここで油断すると失敗します。

7.副作用との付き合い方

 除菌でよくある副作用は、

  • 下痢・軟便
  • 味覚異常(口の中が苦い)

です。

 私は事前に「大人用紙パンツ」を準備するという、やや気合いの入りすぎた対策を取りました。結果としては…そこまで必要なかったので、病院でも薬局でも笑いを提供することになりました。ただ、こうした副作用は一時的なもの。1週間乗り切れば終わりです。

8.除菌の成功率とその後


 除菌は1回で終わるとは限りませんが、

  • 1回目:約80%成功
  • 2回目:約80%成功

 トータルで95%以上の確率で除菌可能です。私の場合は幸い1回で成功。再検査で医師から言われた一言は今でも忘れません。「おめでとうございます。尿素呼気試験法で二酸化炭素は検出されません。ピロリ菌の除菌は成功したので安心してください。」この瞬間、胃の中だけでなく、気持ちまでスッキリしました。

8.除菌の成功率とその後


 ここまでの内容をまとめます。

  • ピロリ菌は胃がんと強く関係している
  • 自覚症状がなくても進行する
  • 除菌は1週間で完了するシンプルな治療
  • 成功率は非常に高い

 そして、最も大事なことをもう一度。ピロリ菌は“症状がなくても”早めに除菌すべきです。

「そのうちやろう」は、医療の世界では通用しません。特にピロリ菌のように静かに進行するタイプはなおさらです。もし健康診断で指摘されたり、検査を迷っているなら、一度医師に相談してみてください。たった1週間の行動が、将来の大きな安心につながります。

 あなたの胃は、一生付き合う大切なパートナーです。変な同居人(ピロリ菌)には、そろそろ退去してもらいましょう。本当に、それだけの価値はあります。

 あなたが次に読む記事は「突然胸を締め付けるような痛みを感じたら」です。