町内会を再生するには
町内会は「役員はいつも同じ人ね」「高齢者ばかりね」「役員のなり手がいない」といった“あるある問題”が山積みです。町内会再生のカギは、「完璧な仕組み」ではなく“ゆるやかなつながりを増やす小さな行動”の積み重ねです。
「町内会って必要?」と聞かれたら、多くの方が「まあ、大事だとは思うけど…」と少し歯切れの悪い返事をするのではないでしょうか。実際、札幌市の調査でも地域コミュニティの重要性を感じている人は約95%。なのに加入率はじわじわ低下中。この“思ってるけど動かない”問題、なかなか手ごわい相手です。
2015年度に札幌市民に向けた「地域コミュニティ」のアンケートが行われました。地域コミュニティとは、地位で安全・安心、そして快適に暮らすために活動するために活動する住民同士のつながりや集まりを指します。

このアンケート結果で、地域コミュニティが「重要」だと思う人は94.9%、それを支える重要な担い手は町内会であると考える人が76.1%いました。重要だという思いを「町内会加入・参加」につなげるには、気軽に参加できる仕組みとわかりやすい情報伝達があれば効果的です。
現代の暮らしが「個人完結型」になっていますが、昔は「向こう三軒両隣」で醤油を借りに行くついでに世間話、なんて光景が普通でした。しかし今は、ネットで注文すれば翌日には何でも届きますし、防犯も警備会社、葬儀も専門業者と「お金で解決できる社会」になりました。便利です。便利すぎるくらいです。
ですが――ここで問題が顔を出します。災害時です。東日本大震災や熊本地震が示したのは、「行政も企業も万能ではない」という現実でした。物流は止まり、情報は錯綜し、最後に頼れるのは“顔の見えるご近所さん”。つまり、普段からのゆるやかなつながりが、いざという時の命綱になるのです。
さらに札幌はこれから、人口減少と高齢化が進みます。かつては「向こう三軒両隣」の精神で、町内会のつながりも深く、ご近所同士お互い助け合うことが日常の光景でした。現在は、単身高齢者の増加、空き家問題、除雪の担い手不足…。これらは行政だけではカバーしきれません。町内会の役割は、むしろこれからが本番です。
ところが現場では、「役員のなり手がいない」「いつも高齢者ばかり」といった“あるある問題”が山積み。ここで大切なのは、「理想の町内会を一気に作ろう」としないことです。成功事例を見て「うちも!」と意気込むのは素晴らしいのですが、いきなりフルコースは胃もたれします。
むしろ最初の一歩は、とても地味でOKです。
・ 顔見知りを一人増やす
・ 軽い交流の場をつくる
・ 防災訓練を“イベント感覚”でやる
町内会やマンション管理組合の活動は、役員や理事が代われば継続性が途切れるという弱点があります。理想を夢見て待つのではなく、問題意識を共有できる高齢者が声を掛け合い、互いに助け合えるよう交流の機会を設けることから始めましょう。一人では解決できない日常のトラブルも、周りの助けによって解決が可能になることがあるなど、複雑多様化した地域課題に対応するためには地域コミュニティの活性化がますます重要になっています。
町内会は地域を中心とした防災訓練を行い、災害時の役割分担をして、避難行動を訓練で身に着けておかなければいざという時は何もできません。災害時要援護者にとっては、どこへ逃げるのか、誰が支援してくれるのかが最大の課題です。
大地震の場合は、48時間以内の対応とその後の対応を分ける必要があります。豪雨災害等では避難を行うタイミングと場所が重要になり、避難所へ行く経路の確認や支援体制についての防災訓練が必要です。
特に高齢者同士が声をかけ合い「最近どう?」と気軽に話せる関係ができれば、それだけで孤立防止になります。さらに、活動内容や会費の使い道を“見える化”すれば、「よくわからないから入らない」という人も減っていきます。

町内会は、完璧な組織である必要はありません。むしろ“ちょっと不完全だけど、なんだか安心できる場所”でいいのです。
ラーメンで言えば、ミシュランの一杯ではなく、近所の通いたくなる味。そんな存在が理想です。
だからこそ改めて強調します。町内会再生のカギは、「完璧な仕組み」ではなく“ゆるやかなつながりを増やす小さな行動”の積み重ねです。
あなたが次に読む記事は「町内会の活性化」です。

