自宅火災の備え
あなたは、自宅から火災が発生することはないと信じていますね。火災が発生しないという根拠はなんですか。そうです、答えられないでしょう。わたしは地域の防災リーダーとして、あなたの家から絶対火災を発生させない、肝心要(かんじんかなめ)になることをお知らせします。
1.天ぷら火災が第一位です
火災原因の1位が「コンロ」で、ほとんどが「天ぷら火災」です。揚げ物や焼き物をしている際に、人がコンロからが離れて火災になっています。IHコンロでも火災が起きています。調理中にコンロから離れてはいけません。コンロの近くに濡らしたタオルを用意して置きましょう。
2位の「たばこ火災」は寝たばこだけでなく、灰皿に多くの吸い殻がある場合に、消したつもりのたばこがくすぶって火災を引き起こしています。たばこを吸ったら、あなたと家族の思い出を失わないように、1本ごとに水で確実に消火しましょう。
3位は「ストーブ火災」です。ストーブを使う時期には、周囲にものを置かないことが重要です。洗濯物を絶対にストーブの上に干してはいけません。ストーブの上で乾燥した洗濯物に火が着くことや、ストーブ上へ洗濯物が落下して火災になります。あなたのうっかりを火災は見逃しません。

4位は「たこ足配線火災」が大半を占めています。ひとつのコンセントから、多くの電化製品へ電源を供給するのは避けましょう。かなりの熱を発し、火災の原因になります。コンセント付近や電源タップは、普段からきれいに清掃することも重要です。あなたの住居のコンセントは、一か所当たり流せる電流は15Aまでです。
5位は「電気機器火災」です。10年以上も使用している電化製品は、普段から異常がないか確認してください。予算に余裕があるなら、古い電化製品を新しく買い替えることで火災を防ぐと同時に、電気代の節約につながります。
2.家庭用火災警報器の設置
火災が発生したら、家庭用火災警報器の「熱感知式と煙感知式」で発見し、自分の目と鼻で確認していち早く火を消すことにより、人命や財産などを守ることができます。2004年の消防法の改正で、すべての住宅に「家庭用火災警報器」を設置することが義務化されました。

家庭用火災警報器の「熱感知式」と「煙感知式」は、火元の作動した警報器のみ警報を行う単独型と、作動した警報器から他の部屋の警報器へ連動させて警報を行う連動型があります。直径20cm程度のほぼ円形で、価格は2,000円代から8,0000円台まで様々あります。
家庭用火災警報器(熱感知式)の設置場所は、一般的に台所です。火の近くではなく、少し離れた場所に設置することが適切です。家庭用火災警報器(煙感知式)は、すべての寝室と寝室のある階の階段に設置します。高齢者の方、目や耳の不自由な方には、音や光の出る補助警報装置の増設をおすすめします。
天井に取り付ける場合は、照明器具から煙式は壁から60cm以上、熱式は壁から40cm以上離して設置します。壁に取り付ける場合は、天井から15cm以上50cm以内に取り付けます。エアコンの吹き出し口周辺は空気が乱れるので、エアコンからは1.5m以上離して設置します。
3.点検と清掃
電池式の火災警報器は電池の寿命が最大約10年と言われ、設置して10年経過で電池の取り換えが必要です。10年経つと火災警報器自体も経年劣化し、電池を入れ替えた途端に本体が機能しなくなることもあります。月に1度は、警報音やランプが正常に作動するかを確認しましょう。
年に1度は火災警報器の清掃をしましょう。汚れは定期的に乾いた布で拭き取ります。汚れがひどい場合は、家庭用中性洗剤を溶かした水に布を浸し、十分に絞ってから拭き取りましょう。煙検知部のほこりは、掃除機で2周以上吸い取ると効果的です。「警報部」には掃除機を使用しません。
掃除機で吸い取りを行った後は、必ず火災警報器の動作確認を行ってください。本体のボタンを押すか、付属のひもを引くことで点検をすることができます。正常な場合、正常を知らせる音声や警報音が鳴ります。
住宅用火災警報器は、火災の煙の流入による光の反射(煙式)や、火災の熱による温度変化(熱式)によって火災を感知します。調理中の煙などを感知して警報器が鳴ったときは、本体の警報停止ボタンを押すか、付属のひもを引くと通常の状態に戻ります。
殺虫剤を使用するときには、住宅用火災警報器を取り外すかビニール袋で覆ってください。殺虫剤使用後は、必ず住宅用火災警報器を元の状態に戻して下さい。そして、警報音やランプが正常に作動するかを確認しましょう。
火災報知器の赤いランプが点滅するのは、必ずしも異常を示すわけではありません。正常な作動表示の場合もあれば、電池切れや寿命、故障の可能性もあります。誤作動が起きている、電池交換の時期がきた、故障しているなどが原因です。
防炎タイプの布製品は火がついても燃え広がりにくく、発煙量や有毒ガスの発生も抑えられます。カーテンなどは、防炎タイプの布製品に交換することで、火災の予防や住民の安全を高めることができます。
4.マンションの火災
マンションの火災では、さまざまなリスクが発生します。逃げ遅れや一酸化炭素中毒で、死亡するリスクも高くなります。このため、火災が起きた際にどのように避難するか平常時にシミュレーションをしておきましょう。
逃げ遅れると、煙や熱で窒息や、火傷を負うなど危険性が高まります。マンション火災の逃げ遅れを防ぐためには、日頃からどのような経路で避難するかを練習しておくことが必要です。マンションが高層かつ大規模であればあるほど、逃げるのに時間がかかり逃げ遅れのリスクが伴います。
マンション火災は火元の部屋だけでなく、廊下や階段などの共用部分にも煙や熱が広がります。家庭用火災警報器などで、火災発見時は速やかに消す行動や、消防に通報して事前に確認した避難経路から安全な場所に逃げることが重要です。

マンションは気密性が高いため、火災の際には一酸化炭素中毒や酸欠のリスクが高まります。酸欠は空気中の酸素濃度が低下して起こり、意識障害や死亡に至る危険性があります。早期発見・早期避難があなたを救います。
マンション火災の際にエレベータを利用すると、途中で停止し閉じ込められる危険性が高まります。エレベータは密閉された空間であり、煙や熱によってやけどや窒息のリスクが高くなります。マンション火災の際は、階段を使うことが安全です。
また、大勢が非常口に集まると、密集状態になって混乱をきたします。避難経路は火災の際に有効に利用できるよう、日頃から確認しておくことが重要です。そして、避難時には慌てずに住民と協力し、声かけや誘導をおこない避難を促進しましょう。
日常的に「避難設備を確認しておく」ことも重要です。マンションの非常階段や非常口、消火栓の場所や使い方を把握しておくことです。火災が発生したときにはパニックになりやすいので、誘導灯や非常用照明、避難器具、スプリンクラーなどの存在を知っておくことも重要です。
消火栓の使い方を知らないために、初期消火ができる火災を拡大してしまったケースもあります。消火栓から、消防ホースを取り出して完全に伸ばしてからノズルをしっかり持ち、バルブを開けてもらえば放水できます。
5.誘導灯と非常用照明
誘導灯とは、非常時に避難経路を照らすための照明装置です。火災などで停電が発生した場合、バッテリーなどの電源に切り替わり、避難するための廊下や階段など出口に向かう道を示します。誘導灯は定期的に点検や交換をおこなってください。
万一のために、マンション火災の消火活動による水損リスクを防止しましょう。水損リスクは消防隊が火災を鎮火する際に使用する水が、建物や家財に被害を与える可能性のことです。水損リスクを低減するに火災保険や家財保険に加入し、経済的な損失を補償してもらいましょう。
マンションの「非常用照明」とは、停電や火災などの緊急事態に備えて設置された電気設備」のことです。非常用照明は通常の照明とは別に、バッテリーや発電機などの電源から供給されるため停電時にも点灯します。
6.避難器具
マンションの「避難器具」とは、火災などの緊急事態に住民が安全に避難できるように設置された器具のことです。一般的に避難器具は8種類に分類されていて、避難はしご、緩降機(かんこうき)、すべり台、すべり棒、避難橋、避難用タラップ、救助袋、避難ロープなどです。
このなかで多く利用されているのは、マンションのベランダに設置されている避難ハッチと避難はしごでしょう。これらの避難器具は、年一回専門業者が点検していますが、住民が定期的に点検やメンテナンスをおこなう必要があります。
7.スプリンクラー
スプリンクラーは、火災が発生した時に自動的に水を噴射して消火する装置です。天井に取り付けられたヘッドと、水源との間に配管されたバルブから構成されています。火災が発生すると、天井に取り付けられたヘッドの温度感知部が高温になり、ガラス管が破裂して水が噴出します。
スプリンクラーは火災の拡大を防ぎ、住民の避難や消防隊の到着を待つ時間を稼ぐ役割を果たす装置です。マンションのスプリンクラーの設置は、11階以上の高層階に設置義務があり、11階未満の階には設置義務がありません。このため、高層マンションは設置階と未設置階が混在します。
8.避難経路の確認
マンションによってフロアごとの共用部分が異なり、独自の形状を持つマンションも存在します。一般的には、各階の共用部分である廊下は1本であることが多いでしょう。この場合、ほとんどが廊下の両端に非常口を設置しています。
しかし、高級マンションなどはエントランスから各フロアの廊下が建物内にあり、できるだけ隣人と会わないように複雑に設計されているマンションも少なくありません。いずれにしても、マンションは階層や部屋の位置によって避難経路が異なります。
そのため、自室から非常口までの避難経路と、マンションから脱出したあとの避難場所の確認は必須です。マンションのそばでうろうろしていると、消火や被災者救助の障害になります。脱出したあとの避難集合場所は、平常時にかならず確認しておいてください。
基本的に50人以上の居住者を有するマンションでは、避難訓練については法令上の定めはありません。法令上の定めがないからやらなくてもよいわけではなく、年1回程度の定期防災訓練(避難訓練など)が義務付けられています。
また、飲食店が入店している複合型のマンションの場合は、年2回以上の消火訓練および避難訓練が義務付けられています。入居しているマンションで避難訓練が開催されるときは、積極的に参加して万が一の火災時の避難に役立てましょう。

9.まとめ
何よりも火災を発生させないことが重要です。日々の暮らしの中で、ちょっとした不注意が火災の発生につながっています。天ぷらを揚げるときは離れない、たばこの火は水で消す、ストーブの上で洗濯物を干さない、たこ足配線や電気機器の使用に注意する。注意はたったこれだけです。
あなたが次に読む記事は「管理員さんという職業」です。

