消火器の使い方
みなさんは会社で、火災発生にそなえて消火器の使用訓練を受けましたね。奥様はお勤めの経験があっても消火器の操作までは経験していないかもしれません。あまり知られていませんが、消火器の使い方を間違えると危険なのです。
基本的な消火器の利用方法は、安全装置(ピン抜く)をはずし、ノズルを火元に向け(構える)、レバーを引いたり押し込んだり(押す)します。消火器の使い方は、その消火器の表面に詳しく書かれていますが、消火器を使うときに読んでいる時間はありません。使用法はいま読みましょう。
1 消火器の利用方法
消防署でも、安全装置のピン抜き、ノズルを構え、レバーを引くと教えています。化学泡消火器の場合は容器をひっくり返してから使用します。消火器によって微妙に使い方が違うことがあるので、事前にしっかり確認しておきましょう。
また、火元に近すぎると炎が逆流して危険です。油火災の場合は油が飛び散るため危険です。遠すぎでも泡の密度が低下するので効果は落ちます。最善の方法は、火元から7~8mほど離れた安全な場所からの消火です。
誤って噴射しないようレバーの下側を持ちます。人差し指をほおばって口から出すと、冷っとする方角が風上です。火元に近づく時は姿勢を低くし、自分の身を守るため風上側に立ちましょう。室内の場合は出入口に背中を向けて、消火後の逃げ道を確保してから使用します。
レバーを強く握ると、消火剤が放射されます。薬剤の放射距離は4~7mですから、火元を的確に狙うことが大事です。窒息効果を十分に活かすためには、火元の表面全体を覆うことが大切です。燃え上っている炎に放射するのではありません。
2 粉末系(ABC)消火器
住宅用の粉末系(ABC)消火器は、A=普通火災・B=油火災・C=電気火災の火災全般に有効です。粉の色は主にピンク色の特殊なガスが練りこまれた粒子の細かい粉で、主成分はリン酸アンモニウムです。吸い込むと多少むせますが人畜無害です。

粉末系(ABC)消火器は、放射時間が14秒と比較的短いため、炎を的確に狙って使用することが重要です。噴射すると視界を遮断する恐れがあり、避難路の方向が分からなくなります。避難路を背にした状態で消火活動を行います。
消火用の粉末がでなくなったら、必ず、後ずさりして現場から脱出します。屋外では、風上から消火することで効果的に火を消すことができます。消火作用は、冷却効果と抑制効果です。
速効で火勢を抑えて消火しますが、浸透性がないので可燃物によっては再燃することがあります。量産されているので製造コストが低く、販売価格が最も安く入手が容易です。設計標準使用期限は10年です。
3 強化液消火器
蓄圧式の消火器です。強化液は強アルカリの炭酸カリウム水溶液ですから、凍らないので寒冷地で使用できます。消火液の色は無色透明で、ノズルは霧状放射に固定されています。人体への影響が少なく金属を腐食させにくいため、鉄道車両や人の多く集まる場所で使用されています。
適応火災は、A=普通火災・B=油火災・C=電気火災の火災全般に有効です。炭酸カリウムは、油脂と素早く反応して不活性化させる特性があります。消火作用は、冷却効果と抑制効果です。
レバーを握れば放射し、レバーを放せば停止します。消火器内には、圧縮空気または窒素ガスが充てんされています。近年は水にリン酸類や界面活性剤などを混合した、中性の薬剤が使われるようになりました。
4 機械式泡消火器
油面に水性膜を形成する機械泡(水性膜・界面活性剤等)で、消化作用は冷却効果と抑制効果です。消火器の根元部分には空気吸入口があり、放射時に消火剤がノズルを通るときに空気を吸い込んで消火剤と混合させ、機械的に泡を作り出して放射します。
泡で燃焼物を覆って空気を遮断して消火する窒息効果があります。消火剤に水を利用していることから冷却効果もあります。しかし、泡消火器に抑制効果はありません。消火薬剤は、外筒に炭酸水素ナトリウム(淡い褐色)、内筒に硫酸アンモニウム(白色)が入っているので、ひっくり返して混合することで二酸化炭素の泡を発生させて放射します。
使用温度は+5度~+40度で、温度が低い場合は化学反応が遅くなり、正常に反応しない恐れがあります。普通火災と油火災に適応しますが、水系消火器は感電の恐れがあるため、電気火災には適応しません。
5 まとめ
消火器を使うときは、安全装置を抜き、ノズルを火元に向け、レバーを引いたり押し込んだりします。放射方法は、「ピン抜く」「構える」「押す」と覚えましょう。消火器の薬剤の放射距離は4~7mですから、3m以上離れて火元を的確に狙います。
火元の表面全体を覆うことで、窒息効果が現れ鎮火します。普段は気に留めないでしょうが、消火器の種類や取り扱い方法は必ず読みましょう。あわてて消火器の使用方法を間違えると、火災を大きくしてしまう場合があります。気を付けてください。
あなたが次に読む記事は「消火栓の使い方」です。

